【開催レポート】2/24(月・祝)近江八幡未来づくりキャンパス(ESD版)公開セミナー「地域の未来のカタチを考える 〜中高校生のためのグループワーク〜」

2月24日の祝日の月曜日、近江八幡市にて「地域の未来のカタチを考える 〜中高校生のためのグループワーク〜」を開催しました。

当日は合計14名の高校生が参加し、近江八幡を舞台に地域の未来のカタチを考えるグループワークに取り組みました

【イベント開催概要】
◆日時
令和2年2月24日(月・祝) 10:00〜16:30(9:30開場)

◆会場
ラ コリーナ近江八幡
(〒523-8533 滋賀県近江八幡市北之庄町615−1)

◆参加対象者
○近江八幡市内在住または市内の学校に在学する中高校生
○持続可能な地域の未来づくりに興味のある中高校生
○SDGsに興味のある中高校生
○将来の目標や、やりたいことを探している中高校生

◆プログラム
○イントロダクション(10:00〜10:30)
高校生や大学生とチームをつくろう。
○水のサンプリングと分析作業(10:30〜12:00)
実際に地域の中で情報を集めて、教室で分析をしてみよう。
○休憩(12:00〜12:30)
○分析結果の解説と全体レクチャー(12:30〜13:30)
科学者の視点から、地域の全体像をみんなで共有しよう。
○地元インタビュー(13:30〜14:30)
データだけでは分からない話を、地元の人にインタビューしよう。
○グループワーク(14:30〜15:30)
わたしたち一人ひとりに何ができるのかを考えてみよう。
○全体発表と総括(15:30〜16:00)
みんなで気づきや学びを共有しよう。

◆主催
近江八幡市

◆協力
京都大学 森里海連環学教育研究ユニット

◆お問い合わせ
近江八幡未来づくりキャンパス事務局
(運営:まちづくり会社㈱まっせ

中高生のためのグループワーク!

今回のような中高生を対象にしたセミナーは、未来づくりキャンパスとして初めての試み。
そんな記念すべき1回目のセミナーとして、今回は京都大学 森里海連環学教育研究ユニットと一緒に、私たちが普段生活している「地域」について一緒に観察し、未来のカタチを考え語り合う中高生のためのグループワークを企画し実施しました。

当日は、京都大学 森里海連環学教育研究ユニットからは、ユニット長の山下洋 先生吉岡崇仁 先生清水夏樹 先生赤石大輔 先生ラヴァルニュ エドワルド先生の5名の先生たちにご協力いただき、レクチャーとフィールドワークや水質分析などを指導していただきました。

■イントロダクション(10:00〜10:30)

セミナーの開会にあたり、近江八幡市企画課の津田課長から本事業の趣旨説明をしていただいたのちに、講座が始まりました。

開会挨拶の後に、進行役のまちづくり会社まっせの田口マネージャーから、本日の講座の目的や一日のタイムテーブル、そして学生たちに大切にして欲しい3つのポイントについて改めて確認を行いました。


その1、普段出会えない研究者や大学生と話す、新しい発見と出会いの機会!

SDGsの達成を目指して、わたしたちに何ができるのかを考えるグループワークでは、大学生たちと一緒に一人ひとり丁寧に考えていきます。

その2、身の回りのことから、SDGsを考えよう!

今回は、わたしたちの生活に最も密接な「水」がテーマです。「京都大学 森里海連環学教育研究ユニット」の研究者が講師となって、高校生でもわかりやすく地域循環の読み解き方をレクチャーし、地域の未来のカタチをみんなで考えます。

その3、将来の目標を見つけよう!

「わたしたちに何ができるのか」の視点を大事にしています。私たちの身の回りのことから、SDGsや地域循環について学び、地域の課題を自分ごととして考えることが、将来の目標を見つけるチャンスになります。


グループで自己紹介

参加者は、予め申し込みいただいた情報をもとに所属する学校や学年のバランスをみて4つのグループにわかれていただきました。

それぞれのグループへひとりずつメンターにも入っていただき、今日一日活動するメンバーで自己紹介をしていただきました。

どんな人が来ているか、好みや性格を知ることで、少しずつ安心して活動できるチームづくりをしていただきました。

メンターの紹介

各グループでのチェックイン後、中高生のグループワークの伴走支援を担当していただく4人に自己紹介と、グループの紹介をしていただきました。

Aグループ担当の深尾善弘さん。

近江八幡Uターンの社会人で、一般社団法人 滋賀人の理事であり、現在は市内で新しく会員制のカフェとスナックの運営も行っています。
過去の地域資源活用塾でもメンターも歴任されてきています。

Bグループ担当の澤智子さん。

滋賀大学 教育学部の学生で、今回はじめてメンターを担当していただきます。

Cグループ担当の長谷部 直孝さん。

澤さんと同様に滋賀大学 教育学部の学生で、今回初めてメンターを担当していただきます。

Dグループ担当の森雅貴さん。

NPO法人 ミラツクの研究員で、NPO法人 留学フェローシップが運営する滋賀キャンプの事業代表もされています。滋賀キャンプで過去に何度も近江八幡をフィールドに活動されているので、中高生のメンター経験も豊富です。

■水のサンプリングと分析作業(10:30〜12:00)

清水先生から、本日の午前中の活動に関するアナウンスをしていただいたのちに、グループごとに早速「水のサンプリング」の作業へ。

フィールドワークでは、京都大学の先生たちに指導していただきながら、各グループで次のポイントへ移動し、実際に現場の観察と水のサンプリングや計測を行いました。

  • Aグループは「八幡堀」
  • Bグループは「北之庄町の霊水(湧水)」
  • Cグループは「北之庄沢」
  • Dグループは「長命寺川」

実際に現場ごとに、どこからどこへ水が流れているのかを観察することで、これまで意識したことのない森里海の循環を学ぶ体験をしていただきました。

また、水温や匂い、音や動植物なども気にかけることで、五感で改めて地域を観察する機会にもなりました。

サンプリングした水の分析

各グループで回収した水のサンプリングをつかい、今度は分析作業を行いました。

分析作業では、誰でも簡単にできる「パックテスト」という手法で行いました。
吉岡先生からテストの方法や各工程の意味などを丁寧に解説していただいたのちに、グループで実験を行いました。

各グループで実験結果をホワイトボードに取りまとめられたところから、ランチ休憩に写っていきました。

■分析結果の解説と全体レクチャー(12:30〜13:30)

ランチタイム終了後、清水先生から「森里海のつながりを知り、近江八幡の未来を考える」をテーマにしたレクチャーをしていただきました。

レクチャーでは、次のポイントについてお話しいただきました。

  • フィールドワークや水質分析を通じて何を考えるのか?
  • 森里海連環学とは?
  • SDGsと森里海の関連について
  • 森里海の連環から考える近江八幡の「過去」「現在」「将来」
  • 農業をめぐる環境の変遷と現状

■地元インタビュー(13:30〜14:30)

清水先生の講義の後、さっそく近江八幡の「現在」と「過去」について学ぶために、地域の方にヒアリングを行いました。

今回のヒアリングでは、地域で活動される4名の方にご協力いただき、学生たちにお話をしていただきました。

  • 会場周辺で無農薬での農業に取り組む農家の方:廣部里美さん
  • 重要文化的景観におけるヨシ地の保全活動に携わる地元・円山町の方
:宮尾芳昭さん
  • ヨシ産業に携わる地元・円山町のヨシ業者さん:西川嘉武さん
  • 西の湖周辺での自然観察を長年続けられてきた地元の方:西崎嘉代子さん

■グループワーク(14:30〜15:30)

水質調査結果の解説

地元インタビュー終了後のグループワークに入る前に、午前中に実施した水のサンプリング結果に関する簡単な考察を全体で共有する時間を作りました。

これは、学生が地元インタビュー中に京都大学の先生たちに集まっていただき、過去の水質調査の分析データも参考に、今回の分析結果から何がわかるのかを検証していただいていました。

各サンプリングポイントと周りとの関係性や、季節での数値の変化など、様々な角度から現在の水がどうなっているのかを見る、科学的な視点をみんなで共有することができました。

グループワークその1

水質分析の結果の共有後、いよいよ各グループでのワークショップを開始。

グループワークの前半では、まずは近江八幡の森里海の連環に関する「現在」と「過去」に関する視点から、グループ内での情報整理を行うワークを行いました。

午前中のフィールドワークで観察したこと、講義の中で学んだことや気がついたこと、地元の方へのヒアリングからわかったこと、水質分析の結果から学んだことなどについて共有し情報整理をする作業から行いました。

これまでの活動結果について、同じワークをしていてもひとりひとり見ているポイントや感じたポイントが異なることから、グループ内でも様々な意見があがっていました。

各グループではメンターが中心となって、全員がお互いの意見に耳を傾け、ポストイットに情報を書き出し、整理していく作業を行っていきました。

グループワークその2

グループワークの後半では、前半に整理した情報をもとに、森里海の連環に関する将来のあり方を検討し、さらに私たちは何ができるのかについて考えるワークを行いました。

前半のワークの時点で、4つのグループの意見やまとめるプロセスが全く異なってきており、同じ講座をうけ、同じ進め方でワークをしているのにメンバーの視点と考えで議論のポイントが異なってきていました。

各グループでメンターが中心となって、課題解決のアイデアを積極的に考えるグループや、丁寧に現状分析することに力を入れるグループ、そして将来イメージに関する矛盾を整理するグループと多様な結果になりました。

■全体発表と総括(15:30〜16:30)

まとめる時間を十分に割いて、いよいよ最後に各グループでの議論の結果を全体で共有する全体発表を行いました。

全体発表では、今日一日のまなびを振り返り、各グループで整理した現状分析と森里海の連環に関する将来ビジョン、そして私たちになにができるのかのアイデアについて丁寧に発表していただきました。

単純にグループでまとめた結果だけを報告するのではなく、グループでの議論のプロセスを学生ひとりひとりが思い返しながらみんなに共有をしてもらうことで、どんなポイントに疑問を感じ、何を解決したいと思ったのかを知ることができました。

また発表では、プレゼンがうまい学生だけが話すのではなく、考えがまとまっていないことも含め、意見を言いたい学生が自分の口で話をしてくれたことで、最後まで全員が真剣に発表に耳を傾けるとてもいい時間となりました。

各グループの発表の最後には、グループを最後まで伴走支援してくれたメンターからも感想を発表してもらい、長くてあっという間だった一日のグループワークを終了しました。

最後に

セミナー終了後、今後よりよいプログラムづくりに向けたアンケートにご協力いただきました。

アンケートの中では、このセミナーを通じてどんな気づきや学びがあったか、次のような意見をいただいています。

「自分の住む地域のことについて深く知ることができ、そして自分の大好きな地元のことを仲間と一緒に熱く語れてよかった」

「データ分析やレクチャーだけでなく、地元の人にお話を聞くことができ、多角的に近江八幡の未来づくりについて考えることができた」

「知らない”今”を知って、私たちができることを考えられてよかった」

「普通に生活しているだけでは見えない自然が見えてきて、その歴史について学び、自分たちの今後について考える機会になった」

セミナー終了後、講師をしていただいた京都大学の先生方からも、大学生顔負けのワークショップだったという感想もいただきました。

地域を教材にSDGsについて身の回りから考える取り組みは、中高生たちの方が自分たち目線で考えることができ、経済と社会と環境の視点から将来を考えるとどうしても埋めることのできない矛盾点についても、最後まで諦めずに議論していたことがとても印象的なワークショップでした。

今回は一日限りの企画でしたが、今後さらに多くの若者が地域について学び、行動できる機会をつくれる未来づくりキャンパスの取り組みを行っていけるよう、引き続き企画を検討していきたいと思います。

ご協力いただいた先生方、また地域の皆様には熱く御礼申し上げます。
今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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